MOZART SINGERS JAPANでは、モーツァルトのオペラを22作品と定義し、その全てをレコーディングすることを目標としています。そこには未完の3作品も含まれています。そのうちの一つがツァイーデです。
ツァイーデは皆さんご承知の通り、モーツァルトの死後に見つかったものです。書簡を見ても「やってらんねー」のような記述がありますので、モーツァルトが途中で投げ出したことは間違いありません。
しかしそれが後の「後宮からの誘拐」に繋がったと思えば、このツァイーデに費やした時間は、モーツァルトの発展、躍進に必要なものであったと言えるでしょう。
未完成の3作品、全てが20代に集中していることに、私は天才モーツァルトの葛藤を見る思いがするのです。私たちMSJも彼の作品との対峙に大いに悩み、苦しみ、そして幸せを得ています。彼の葛藤に向き合うことで、また違ったモーツァルトの横顔に触れ、その先の輝きへと昇華したい、そんな思いでこのCDをつくりました。
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